勢いに任せて進めているので読みづらい点が多々ありますがご容赦ください。
文才なくても(゚з゚)キニシナイ!!
書く気があるうちに、飽きる前に、書いておきます。
庭時代捏造(3)です。
文才なくても(゚з゚)キニシナイ!!
書く気があるうちに、飽きる前に、書いておきます。
庭時代捏造(3)です。
「「「じゃーんけーん、ほいっ!」」」
「げっ!?」
「サニーが鬼だ!」
「100数えろよー!」
朝、ゼブラとトリコの教室までの競争はトリコが勝った。夕食後、トリコ、ゼブラ、サニーの3人は彼らの住む研究施設でかくれんぼを始めた。
ルールは単純だ。制限時間は消灯時刻まで。建物の外に出なければ女子更衣室と女子トイレ以外はどこに隠れてもよし。ただし、一度隠れる場所を決めたら絶対に動かないこと。サニーが大声で数え始めたのを合図に、2人は別々の方向へ駆けだした。
トリコは地下へ続く階段を駆け下りていた。人一倍食いしん坊で鼻がいい彼は、いつも厨房付近に隠れて盗み食いをしているのですぐに見つかってしまう。
しかし今日の彼には秘策があった。夕食の時にパンを4つポケットに押し込み、自室から洗濯バサミとミニライトを持ってきたのである。
「へへっ、まさかオレがあそこに隠れるとは思わないだろ」
トリコが目指しているのは、一度前を通りがかった時に大量の埃と薬品臭に鼻がやられて涙と鼻水が止まらなくなった場所だった。誰も近寄りたがらない、特にサニーならまず間違いなく探しには来ない所。
地下12階の廊下の突き当たりにある、標本倉庫。
ドアの前で立ち止まり、パンを1つ口に押し込むと、洗濯バサミで鼻を塞ぐ。意を決して重い扉に手を掛け、ゆっくりと押し開けた。
埃っぽい室内にはガラス張りの棚が並べられ、隙間なくホルマリン漬けにされた動物の標本が押し込まれている。部屋の奥には蜘蛛の巣が張った骨格標本が雑然と置かれていた。緑色の非常灯が、これでもかと不気味さを増幅させていた。
死んでいるはずの標本達が自分を見つめている気がして、背筋に嫌な汗が流れる。消灯時間まではまだかなりある。それまでずっとここに一人でいられるのだろうか。怖くなって引き返そうとしたトリコの目に、奇妙なものが映った。
右奥の方に、ひときわ骨格標本が密集した場所があった。それだけなら別に不思議なことではないのだが、無性に気になって仕方ない。違和感の正体を確かめたくて近寄ってよくよく目を凝らして見ると、その一角だけ標本同士が接着剤で固定されていたのだ。触ってみると、標本は塊ごと動かすことができ、ずらした部分の床には取っ手の付いた50センチ四方の鉄の板が嵌っていた。
「もしかしてこれ……隠し部屋か?」
沸き起こった好奇心はいとも簡単に恐怖を払拭した。トリコは自慢の馬鹿力で重い板を引き上げた。するとそこにはさらに下へと続く梯子があり、最下部には蛍光灯らしき灯りが見える。彼はこの先に待つであろう未知との出会いへの期待に目を輝かせた。
人の気配がないことを確認して梯子から下りると、そこは短い廊下のような場所だった。床も壁もむき出しのコンクリートに覆われ、天井には傾いた蛍光灯が一つ点灯している。右手側の壁にはドアが二つあり、大きな南京錠が掛けられていた。突き当たりのドアには何も鍵が掛かっていない。吸い寄せられるようにしてドアノブを握った。
ここまで来てトリコは躊躇した。標本倉庫の隠し部屋に財宝があるとは思えない。むしろ、人間の標本とか、死体とか、隠さなければいけないものが押し込まれている可能性だってあるのだ。それこそ、一度目にしただけで一生悪夢にうなされるようなおぞましいものが。
しかし、わかってはいても見てみたい気持ちが抑えられない。見たら後悔するかもしれないが、見なければずっと気になり続けてしまうに決まっている。トリコは勇気を振り絞ってそっとドアを開けた。
「っ!?」
そこには、ぶかぶかの緑の服を着た、黒い髪の子供がいた。
Fin.
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